アメリカ駐在の良いところ、きついところ
会社からの命令により海外赴任を告げられたあなた。
アジア、欧州、オセアニアなど世界には色々な地域がありますが、
その中で告げられた赴任先はアメリカでした。
初めての海外赴任という中で不安が一杯だと思いますが、
現在アメリカに赴任している私が今感じている
アメリカ駐在の良いところ、きついところを書いていきたいと思います。
■ アメリカ生活の良いところ
【1.色々な人と交流ができる】

私は現在ジョージア州に住んでいますが、
ここはまさに「人種のサラダボウル」を実感できる場所です。
ジョージア州全体の人種分布(※)を見ると、白人が約52%、黒人・アフリカ系が約31%、
ヒスパニック系が約11%、アジア系が約4%強と非常に多様性に富んでいます。
さらに面白いのは、同じアメリカでも州や地域が違えばこの分布が全く違ってくる点です。
例えば、私の住む地域に限ると、白人が約53%、アジア系がなんと約21%、
黒人・アフリカ系が約12%と、州の平均と比べてもアジア系が非常に多く住む地域になっています。
このように、住む場所によって全く異なるコミュニティが形成されているのがアメリカの面白いところ。
どこか親近感が湧きやすい一方で、本当に多種多様なバックグラウンドを持つ人たちと日常的に関わることができます。
最近は日本でも外国籍の方が増えてきましたが、アメリカの多様性はやはり別格です。
Costcoのレジ打ちのお兄さんから、休日に公園で出会う家族まで、
それぞれの文化や価値観に触れられるのは、アメリカならではの大きな魅力です。
(※U.S. Census Bureau 2023年調査等のデータより)
【2.給料が上がる(ことが多い!)】

これは皆さん気になるところですよね(笑)。
もちろん会社にもよりますが、物価の違いを考慮した補填や海外赴任手当などがつくため、
一般的に額面のお給料は日本の1.5倍から2倍になることが多いです。
さらに今は「歴史的な円安」の真っ只中。
日本円に換算すると、その給与額の跳ね上がりっぷりに余計に高く感じて驚くはずです。
スマホの銀行アプリを開いて残高の数字を見て、
「おっ!」とテンションが上がる瞬間は、駐在員の密かな楽しみの一つかもしれません。
【3.子供の教育に良い刺激がある】

もしお子様を帯同されるなら、これは素晴らしい機会になります。
私の子供は日本で教育を受けた後にアメリカに来たのですが、
だからこそ「日本の良いところ・アメリカの良いところ」を客観的に学べていると感じます。
学校に行けば世界中から集まったクラスメイトがいて、
その多様な環境の中で揉まれる経験は、将来必ず大きな財産になるはずです。
【4.当然、英語は鍛えられる】

「TOEICの点数は高いのに、いざとなると話せない…」と悩んでいる方、大丈夫です!
ネイティブの生きた会話は教科書とは全く違いますが、ベースの英語力がある方は、
現地に飛び込んでしまえば驚くほど早くキャッチアップできます。
日々「サバイバルイングリッシュ」をこなすうちに、度胸も会話力も自然と鍛えられていきますよ。
気づけば、近所の相手に "Hey bro, what's up?" なんて気軽に挨拶されても、
「全く問題ないぜ!」というマインドになれちゃいます。
【5.意外と生活に違和感はない】

「アメリカ生活って全く文化が違うから大変そう…」と身構えるかもしれませんが、
戦後の日本がアメリカから大きな影響を受けていることもあり、
拍子抜けするほど生活に違和感はありません。
スーパーでの買い物やクレジットカード社会の便利さなど、すんなり馴染めるはずです。
ただ、日本の「おもてなし」レベルのサービスや、
ディスカウントストアの陳列がいつもピシッと綺麗…といったことは期待しないでくださいね。
お店がぐちゃぐちゃなのも「アメリカンサイズのおおらかさ」と笑って流すスキルが身につきます。
【6.アメリカの巨大な都市を「国内旅行」できる】

ニューヨークの摩天楼、グランドキャニオンの大自然、
フロリダのディズニーワールド、ハワイのビーチ…。
これら全てが「国内旅行」として行けてしまうのは、国土が広大なアメリカ駐在の最大の特権です!
週末や連休のたびに、次はどこへ行こうかと家族で計画を立てるのが楽しくなります。
【7.中南米など、他の地域へのアクセスが良い】

日本からは遥か遠いカリブ海のリゾートやメキシコ、カナダなども、
アメリカからならグッと近くなります。
「せっかくこっちにいるんだから!」と、
日本ではなかなか行けないような国々へ足を伸ばせるのも嬉しいポイントです。
■ ちょっと気になるところ(きついところ)
さて、ここからは少しリアルな「しんどい部分」もお伝えしておきましょう。
【1.仕事がきつくなりがち(時差の壁)】

これは駐在員あるあるなのですが、現地のスタッフが定時でサクッと帰る夕方頃……
ちょうど日本の本社が朝を迎え、業務を始めます。
つまり、現地の仕事をこなした後に日本の対応が待っているという
「サンドイッチ状態」になりがちです。
今はオンラインミーティングが当たり前になった分、いつでもどこでも仕事が繋がってしまうのは、
少し体力と気合が必要です。
【2.物価が高すぎる!】

「良いところ」で、銀行アプリの残高を見て「おっ!」とテンションが上がると書きましたが、
実はそれも束の間。給料日近くになると「あれ、意外と手元にお金が残っていないぞ…?」と
青ざめる人も少なくありません。
というのも、お給料が上がる以上にアメリカの物価、そして何より「家賃」が大変なことになっているからです。
一般的に、「家賃は所得の30%以内が安全圏」と言われますが、そんな常識はあっさりと突破してきます。
特に西海岸や東海岸の都市部では、中産階級でも生活がしんどいレベルまで家賃が高騰しています。
では「内陸や南部の安い地域に住もう」と思うかもしれませんが、
実は今、西海岸や東海岸の高い生活費に耐えかねた高所得者層が、
比較的安い地域を求めてどんどん移住してきています。リモートワークがもたらした弊害とも言えるかもしれません。
その結果、元々は安かった他の州でも、彼らの高い所得に引っ張られる形で家賃が釣られて上がり気味なのです。
アメリカでは「家賃の高さ=学区の良さ・治安の良さ」に直結するため、
安易に家賃だけで決めることができないのが悩ましいところです。
【3.家族が馴染めないときつい】

駐在員本人は仕事で忙殺されてあっという間に時間が過ぎますが、
帯同するご家族は慣れない英語、習慣、食べ物の中で孤独を感じやすいです。
特に最初にお友達ができないと、精神的にかなり参ってしまうことも。
もちろん「日本人コミュニティ」に属することが必須ではありませんし、
現地の輪に飛び込むのも素晴らしいことです。
ただ、アメリカは「世界で一番日本人が多く住んでいる国(※外務省統計)」でもあります。
そのため、日本人コミュニティを見つけられる可能性は非常に高いです。
これから赴任される方は、できれば最初はそうしたコミュニティがあるエリアを選ぶと、
情報交換もでき、何より日本語でホッとできる場所があるため、馴染みやすい可能性が高いです。
【4.太らないように注意!(健康管理のハードル)】

アメリカの食べ物は、美味しく感じるように(=カロリー高めに)作られていて、しかもボリューム満点!
仕事のストレスも相まって、気づけばどんどん体重が増加し、生活習慣病のリスクが高まります。
実は、高所得のアメリカ人ほど健康意識が非常に高く、
高いお金を払って食事に気を付け、ヘルシーなサラダを食べ、ジムに通って汗を流しています。
「じゃあ外を走ればいいじゃん」と思うかもしれませんが、
治安に不安がある地域では気楽にランニングもできません。
安全を確保しつつ、どう運動不足を解消するかは大きな課題です。
ゴルフをする駐在員が多い印象ですが、ゴルフを運動と呼ぶかは人に依るかなと(笑)
私はもっぱら公園でランニングです。
【5.医療費が激高】

先ほどの健康管理にも直結しますが、アメリカは自由診療のため、
医者や歯医者の費用が目ん玉が飛び出るほど高額です。
ちょっと救急車を呼んで盲腸の手術をしただけで、借金生活に陥る…なんていう笑えない話が実際に起こり得ます。
赴任前に、会社がどのような医療保険・歯科保険に入ってくれているのかを必ず確認してください。
もしカバー範囲が十分でなければ、自費で追加の保険に入ることも真剣に検討すべきポイントです。
■ 最後に
いかがだったでしょうか。
良いところも、少しハードなところも包み隠さず書きましたが、
こういった様々な刺激や苦労の中で、私は日々アメリカで充実した時間を過ごしています。
最初は戸惑うことも多いと思いますが、振り返ってみればすべてが
「アメリカならではの笑い話」になる日が必ず来ます。
あなたの初めての海外赴任が、素晴らしい経験と喜びに満ちたものになるよう、心から応援しています!